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そもそもGDPとは何なのかと、経済回復に対する見解

 久しぶりに経済のお話。


経済学を学び始めたら、一番最初に習うことがGDPと思います。まあ大学の経済学部でまともに経済を勉強しているやつなんていなくて、GDPの説明すら満足に出来ないようなやつばっかなんですけどね。それでもバイトとかサークルとかの実績で就活出来てるんですから日本の就活ってまじで糞すぎんですよね。



さて、それはともかくGDPについてです。GDPは一言で表すと『付加価値の合計』と言われます。


どういうことなのか?例えば、150円のオレンジジュースを買ったとしますよね。そのジュースには様々な価値が付加されています。農家がオレンジを作り、それをJAが買い取り、商社を通じてジュースメーカーに渡り、ジュースを作る会社も美味しくするために色々と試行錯誤したり研究したりし、もちろん水も必要ですし、オレンジジュースを作るための機械、広報、ラベル、ペットボトル、色々とお金がかかります。そしてそれがスーパーやコンビニの店頭に並び、ここでも宣伝やら接客やら店の土地代やら、何かとお金がかかります。


これらのお金が合計した結果、ジュース1本あたり150円という価格なわけですね。つまり、150円のジュースには150円の価値が付加されており、これを付加価値と言うんですね。


もちろん付加価値は他にも色々とあります。最近ではサブスクという形でネット上のサービスにお金を支払うことも増えましたし、旅行に行けば宿泊という形でお金を支払います。これらはモノではないですが、そのサービスに価値が付加され、それにお金を支払っているため、付加価値と言えます。


付加価値の合計ということを更にまとめた言い方をすると『消費額の合計』ということになります。


故に、GDPの計算式自体はそんなに難しいものじゃあありません。以前こちらの記事でも書きましたが、経済には3つの主体が存在します。

・政府

・家計

・企業


の3つです。この3つの主体が年間に支払った金額の合計が『消費額の合計』となるわけです。政府はGovernmentの頭文字である"G"を、家計はConsumerの頭文字である”C"を、企業による消費とは、設備投資のことなのでInvestmentの”I"を使って、このように表されます。

GDP = G + C + I


となりますが、これだけではありません。今の時代はグローバル化の時代です。輸出入が行われており、輸出(Export)は自国製品を海外へ売り、金を稼ぐためGDPにプラスの影響がありますが、輸入(Import)は海外製品を買い、金を失うためGDPにマイナスの影響があります。なので

GDP = G + C + I + Ex - Im


がGDPの計算式となります。



ではニュースでよく言っている『名目』と『実質』とは何なのでしょうか。


GDPを増やす簡単な方法があります。先述の通りGDPは消費額の合計なわけですが、単純に物価を高くすればGDPは増えるわけです。日本人の給料を一律で10%上げ、それに応じてものの値段も10%上げれば、GDPはプラス10%の上昇となります。


しかし、当然のことながらこの上昇に全く意味はありませんよね。理想は給料が+10%となり、物価は+2%となれば、残った8%分、生活が豊かになります。


『名目GDP』は物価の上昇幅を考慮しない計算です。つまり上記の例だと、GDPは年率10%のプラス成長です。

『実質GDP』は物価の上昇幅を考慮した計算です。上記の例だと、年率8%のプラス成長になるわけですね。


さて、ここからは経済学でありがちな意味のない机上の空論ですが、経済政策を考える上において重要となる要素があります。『三面等価の原則』です。


先程から述べているように、GDPは消費額の合計ですが、何かしらのモノやサービスがなければ、当然のことながら消費活動すら行うことが出来ません。消費は必ず全て何かしらのモノやサービスに対して行われるのです。このことから

消費量=生産量


となります。生産量と消費量の金額は一致します。


そしてさらに、生産したものは一つの人・組織によって消費されるのではなく、必ず分配されて数多くの人・組織によって消費されます。このことから

消費量=分配量


となります。つまりまとめると

GDP=消費=生産=分配


となるのです。この3つの要素は必ず同じ金額になることから『三面等価』と呼ばれる…のですが


実際はそうでもありません。こんなの屁理屈の机上の空論です。実際には生産したものは売れずに廃棄されたりしますしね。仮に生産量を増やしたとしても、消費が増えずに廃棄されればGDPは増えません。いや設備投資の分は若干増えますがね。資源がもったいないので今の自体は推奨される行為ではないでしょう。


さて、これらのことから経済について考えてみましょうか。


消費税が10%になり、結果的に経済が悪化したとの見方もあります。ぶっちゃけ私もそう思いますが、経済学者の多くは消費税の増加は経済に影響を与えないと言う人もいます。うちの大学の教授とかね。どうしてでしょうか。


答えは、政府支出もGDPを構成する要素の一つだからです。消費税が10%ということは、民間の支出から10%が政府の懐に入るため、その分民間支出は減ります。しかし、政府はその分支出を10%増やすため、結局はプラマイ0なのです…が。


これは個人的な意見ですが、それは国債を発行しない政府に限った話です。もし仮に消費税がなかった場合、政府はその分だけ国債を発行すると思うんですよね。特に今の日本の場合だと。

国債を発行するということは、例えば消費税がいくらであろうと、政府支出額は大きく変化しない。つまり、民間の支出が消費税によって減った分だけGDPはマイナスの影響を受けている…と私は考えています。


さて、今回この記事を書いた理由として、コロナによってGDPが恐ろしいほどの影響を受けたからです。年率換算とはいえ、マイナス27.8%は驚きました。おそらく今後、これについて無知なまともに経済も勉強したこともない人が好き放題言うと思うので、正しい知識を身に着けておいてほしいと思ってこの記事を書きました。まあ読んでる人は少ないんですがね。


ちなみに、打撃を受けたのは日本だけではありません。EUは年率換算でマイナス40%、米国はマイナス32.9%、英国はマイナス60%と、どこの国も大打撃を受けた。というか日本はかなりマシな部類と言えますね。


ワクチンが開発され、生活が以前のように戻ればある程度は改善されるでしょう。前の生活に戻るだけで消費は当然増えるので、その分はまるまるプラス成長につながるでしょう。


以前のような数値に戻るかどうかは判断できかねます。金融面から経済を見てみると、現時点ではそこまで大きく悪化はしていない印象は受けますが…。


与信コストというのがあります。銀行が金を貸す際に、相手が債務不履行…つまり倒産するリスクを考慮してある程度の金額を赤字として計上しておくのですが、この金額はやはり高い水準になっています。


しかし、リーマンの頃やバブル崩壊と違い、主に都市部では不動産価格は大きく落ち込んでいないですし、株価は日銀が買いまくったのでコロナ前とほぼ同水準です。


主に企業が金を借りるときの担保となるのが不動産なわけですし、株価が下落すれば銀行の財務は悪化しますが、この2つは今の所大丈夫なわけです。それに日銀の支援もあるため、銀行はある程度安心して企業に金を貸すことが出来る…と思います。実際、3大メガバンクの貸出残高は一気に増加しました。


今の状況でも、少なくとも大企業であれば運転資金が足りなくなるというリスクはあまりないと考えられます。運転資金があれば従業員を大量に解雇する必要もないので、従業員をつなぎとめて置くことは可能なのかなと。大量リストラさえ起きなければコロナ後の回復も充分に見込めます。


しかし、コロナがあまりにも長期化すれば、銀行も与信コストがみるみる増加し、融資は難しくなり、大企業でさえも運転資金が不足してしまえば従業員の大量解雇も考えられます。そうなると絶望的です。



コロナによる倒産件数が440件らしいですが、日本では年間で8000件以上の企業が倒産しているため、ぶっちゃけピンと来ません。倒産寸前のギリギリのところだった企業がコロナでトドメを刺された例もありそうですし、これに関しては私はいまいち重要性が理解できないんですよね。

もっと大きい企業が倒産したり大量リストラしたりしたら重要性も理解できるんですが、小規模事業者を含めて日本の企業数は400万社以上。その100万分の一が倒産したと言われても、そりゃそれくらいは倒産するでしょうとしか言えませんね。


そう考えると、まだ大企業が倒産したり大量リストラのニュースがない現在においては、コロナ前の水準まで戻ることは考えられると思います。しかし長期化してしまうと、難しくなるというのが私の意見ですね。



ついでに、私はこれを機に日本は内需の国になるべきだと思うんですよね。日本はかつては内需の国と言われていましたが、長く続く不景気のせいで外需頼みの経済になってしまいました。


日本の製品は優れている!とか言ってとにかく輸出しまくってますし、別にそれは良いんですけど、ぶっちゃけ日本という国は企業から軽視されているに過ぎないんですよね。いろんな業界の新製品は日本投入が遅かったりとか珍しくないですしね。まあ日本人は購買力が低いので仕方ないといえば仕方ないですけどね。


でも、1億2000万人という世界的に見ても決して少なくない人口が購買力を持つだけで、一気に日本という国は重要な市場に早変わりします。海外から新製品が続々と投入され、国内企業も活気付く。最高じゃないですか。


確かに輸入製品を購入したら、GDPはその分マイナス(小売店の儲けだけプラス)になりますが、日本が重要な市場となれば日本法人の人員を増やしたり、関税をかからなくするために日本に工場を作ったりと、景気の起爆剤にもなります。ベンチャービジネスとかよりも海外の大企業を日本に誘致するほうがよっぽど安定かつ確実な方法ですよ。


でも、そのための施策が10万円給付、マイナポイント(笑)、Go Toキャンペーン(笑)なわけですから、期待は出来ませんけどね。でも今はコロナからの回復=国内需要の回復と言われているので、もっとマトモな策が出てきたら良いですね。


以上で終わります。あぁ、また文字だけの記事になってしまった…しかもクソ長い…まあいいか。ここまで読んでくれてありがとうございます。

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